・画家A 男


悪魔の絵を描き続け、行方不明になった画家です。

昔はある都で天才と評された画家でした。
ある日突然、絵の修行の旅に出ると言って都を離れてしまいます。

数年後、帰って来た彼は以前の面影を残していませんでした。
やせ細り、目つきが非常に険しくなり、まるで幽鬼のような風貌に変わり果てていました。
旅で何があったのかは一切語らず、黙々とキャンバスに向かい、やがて一枚の絵を完成させます。
帰ってきた天才の新作とあって、みんなが注目する中、新しい絵が公開されました。
出来上がった絵は非常に素晴らしい出来だったのですが、悪魔が神と人間の世界を打ち砕くという内容でした。

この絵に激しい非難が集まりましたが、彼は意に介せず、すぐ次の作品に取り掛かります。
しかし次作はまたしても悪魔の絵で、都を騒がせます。
絵自体は天才と呼ぶにふさわしい出来で、中には賞賛する者も現れました。
これにはさすがに教会が動き出し、彼のアトリエを調べると、スケッチは全て悪魔の絵で埋め尽くされていました。
悪魔を崇拝する者として、ついに彼は都を追放されてしまいます。

彼自身は気にした様子も無く、人里離れた一軒家に自分のアトリエを構え、変わらず悪魔の絵を描き続けました。
都では彼の絵は禁制となったにも関わらず、こっそりと彼の絵を買い集めていた者も少なくありませんでした。
また、彼の絵を買う客の中には、悪魔を崇拝するような怪しげな教団の人間も含まれていました。

彼はある日、後に彼の最高傑作と言われる絵を描き上げた直後に行方不明となります。
今回は旅に出ると言うことも無く、荷物をまとめた様子もありませんでした。
いつしか、彼は絵の悪魔によって絵の中に連れ去られたという噂が広まります。

この絵はブラックマーケットで競りにかけられ、かなりの高額で競り落とされました。
その後、この絵は賊によって盗まれてしまい、購入者もその際に殺されています。

現在、画家の行方も、この絵の行方もわからない状態です。
邪教のしわざ、悪魔の祟り等、様々な噂が流れていますが、真相を知る者は当事者のみです。


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